不動産を売りたい

土地の売却について

土地を売却するときに考えるべき点は、建物(住宅、マンション、店舗など・・・)とは少々違います。土地をこれから売る方のために、下記に正確な知識をまとめてみました。
「横松建築設計事務所」におまかせいただければプロの知識をフル活用してお客様の土地を売却することのお手伝いをさせていただきます。

土地が実際に売れるまで費用は発生しませんのでお気軽にご相談下さい。

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不動産仲介業者に依頼する前に自分でできる土地売却の準備

不動産仲介業者に依頼する前に自分でできる土地売却の準備

お客様が依頼する前に、絶対やっておいた方がいいことがあります。
それは、土地の相場を知っておくことと、どのようにして土地の価格が決定するのかを知っておくことになります。
自分の持っている土地ですので、何となく、ここは「○○○万円」位という感覚はあるかと思います。
ですが、現実に土地を売却するとなると話は変わってきます。
土地にはいろいろな要因、状態があり、相場とその詳しい情報が価格に影響を与えます。
そのためご自分の土地の「詳しい情報」と、きちんとした「相場観」を持つことが、仲介業者に依頼するときや、今後の取引の交渉が始まったときのよい材料になってきます。
特に不動産(土地や建物)の中でも「土地」は他のものに比べ、資産価値の高いものになってきます。

最初はご自身でできる売却のための準備をしましょう!

土地の場合の「詳しい情報」とは、地目、接道やその方角・その前面で接する長さ、道路の種類や幅員、地形、地盤、日照、交通施設、商業施設との距離、勾配や法面の有無、建ぺい率・容積率、用途地域(都市計画)や高さ制限・斜線制限、日影規制、防火地区、埋蔵文化財の有無・・・
普段目にすることのない単語も多くありますよね。
例えば、Aさんの土地と自分の土地は100mしか離れていなく、ほぼ同じ面積なのに倍近い値段の差があるなんて!
都心部ですと、このような声も聞きます。
その土地が持ついろいろな条件で価格が大きく変わってくる「土地」。
それではどのようにしてその「詳しい情報」や「相場観」を把握すればよいのかを説明していきます。

「詳しい情報」について

土地の「重要事項」といわれる中の一部です。
土地だけに限らず、不動産売買取引のときには必ず重要事項説明書という契約書類があります。宅建の免許を持つ人しか説明や契約書の記名押印ができません。この中に「詳しい情報」が記載されています。
その中でこれだけは知っておいた方が良い項目を説明します。

1.地目

これは何に使っている土地なのかということです。
人が住んでいる土地ならば「宅地」になります。
他に「畑」「田」「山林」「原野」「雑種地」「公園」「鉄道用地」「ため池」「保安林」「学校用地」・・・。いろいろとあります。

2.接道・前面道路

とても重要な項目です。
なぜならば、接道(土地が道路と接すること)の状況によっては建物が建てられないケースがあるからです。土地が道路に面していない土地のことを「囲繞地(いにょうち)」といい、建築物を建てることはできません。
また、接道していても2m未満の場合同様に建築することができません。
このような土地の場合、価値がとても低くなってしまいます。

3.建ぺい率と容積率

これも重要なことです。
建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合になります。
これだと分かりにくいので言い換えると、自分の土地の面積に対し「どの位の広さ」の建物を建てられるのか。平面的なイメージを持ってください。
容積率は敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合になります。言い換えると、「どの位のボリューム(延べ床面積)」の建物を建てられるか?空間的なイメージを持ってください。
つまり、同じ面積の土地でも、この建ぺい率と容積率が違えば建てられる建物の大きさがかなり違ってきます。
この建ぺい率・容積率も次の4、用途地域と関連が深いです。
これらは「建築基準法」に基づく制限になります。

4.用途地域(都市計画)と付随事項

用途地域とはその地域の使い方が決めてある地域のことです。例えば「この地域は住宅街にします」、「商業地域にする」、「コンビナートのような大きな工場ばかり建てる地域」などのように取り決めをしている地域になります。
ちなみに用途地域には、「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」「第一種住居地域」「第二種住居地域」「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」の12種類あります。

これに付随して高さ・斜線・日影規制がありますが、とりあえず用途地域だけ分かればいいと思います。
というのも用途地域で規制は横並びに決まっているためです。
用途には住居系と商工業系があります。
例えば、住居系の第一種、第二種低層住居専用地域という地域だと建物の高さが10mまでと規制があります。
また3の建ぺい率・容積率も用途地域によって変わってきます。
第一種低層住居専用地域では建ぺい率が50%で、容積率が100%になっているところもあります。これらは住んでいる場所によって異なるので自治体などに確認するか、不動産屋さんに聞いてみましょう。

業界ではこのような土地を「ゴットウ」(五・十)なんて言い方をしたりします。
もっと低いので建ぺい率40%、容積率80%の「ヨンパチ」などがあり、こういう場所は高級住宅街に多い場所になります。
なぜこんなに小さい建物しか建てられないのかというと、土地を小さく区分けしたり、景観を損ねる様な建物が建てられないようになっているためです。

都内の例になりますが、東京23区には10坪前後の建売がありますが、仮に「ヨンパチ」だとすると建坪面積4坪、延べ床面積4坪までの建物しか建てることができません。
つまり平屋ですと畳8畳分の土地しか使うことができません。
2階建てなら4畳です。実際に住むのは難しいですね。

もしこの10坪が、近隣商業地域で建ぺい率80%・容積率400%ならどうでしょうか?
建坪8坪で延べ床面積は32坪まで建てることができます。
畳16畳の建物面積に64畳分の延べ床面積です。
8畳の部屋が8部屋取れます。これだけあれば十分だと思います。
ただ、現実的には通路、玄関、階段などの面積をとらないといけませんが。
お伝えしたかったことは、同じ10坪の土地でも、建ぺい率、容積率の差で、延べ床面積に8倍もの差が出てくることです。
さらに不動産業界では「一種いくら」なんていう容積率で割り出す価格もあるくらい、容積率は土地価格と密接に絡んできます。
次は「相場観」についてです。

「相場観」について

ここまでで分かったご自分の土地の「詳しい情報」を基に相場を確認していきます。
まず「公示地価」と呼ばれる「不動産売買の指標になる価格」を調べてみましょう。

●「公示地価」の調べ方
国土交通省に土地鑑定委員会があり、適正な土地取引に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示しています。
全国各地に2万ヶ所を超える標準地がありますので、ご自分の土地の近くの標準地が見つかるはずです。
調べ方は、インターネットで「公示地価」と検索してください。
検索結果の上に
標準地・基準地検索システム~国土交通省地価公示・都道府県地価調査
という国土交通省のページが出ますので知りたい場所に近いところまで進んで、確認してみてください。
自分の検索した場所の近くの情報がいくつか表示されていると思います。
自分の土地に近い基準地の情報を見てみると、前面道路の幅員や都市計画(用途地域)、建ぺい率、容積率、価格の前年対比(高くなっているのか、安くなっているのか)などいろいろと掲載されています。
これらを照合していくと、自分の知りたい情報により近づくことができます。

近隣の相場

次に近隣で売りに出されている土地にの価格の調べ方ですが、多くの情報を短時間で知るためにはインターネットで検索することが一番早いかもしれません。
お住まいのご住所と売り地を検索してみてください。
大手の販売サイトが掲載している売り地の情報が、リストアップされているページが検索結果にたくさん出てくると思います。

それらの中から、自分の売りたい土地に近く、詳しい条件などもより近い物件が参考になります。
また、大手だけでなく、町の地元密着型の不動産会社のホームページでも調べることができます。
地元密着型ならではの物件も掲載されているのでチェックしていください。

また、公示地価を調べたサイトでも過去の取引した土地の価格や情報が載っていますので参考にしてください。
通常こういった販売を目的とする土地の情報は「物件情報」とか「物件概要」といい、価格は総額と「坪単価」で出ています。
ちなみに、公示地価、路線価などの公的な情報の場合、不動産の単価は「m2単価」で表示されます。
これを市場価格「坪単価」に直す計算方法は

「m2単価」×3.3058(1坪のm2数)=「坪単価」
になります。
逆に市場価格の「坪単価」を1m2の単価に戻す場合は
「坪単価」×0.3025=「m2単価」
になります。
「坪」という日本特有の単位をメートル基準に直すために正確な単価を割り出すいわば「業界水準」の値で、「尺」とか「間」という単位から来ているため割り切れず、小数点以下が何桁にもなってしまうので、業界では少数点以下2桁までの正確な値を出すためにこのような計算根拠を用います。

具体例
m2単価が20万円の坪単価は
200,000円「m2単価」×3.3058=661,160円「坪単価」
この土地が50坪ならば
50坪×661,160円「坪単価」=33,058,000円(土地価格)
となります。
坪単価50万のm2単価は

500,000円「坪単価」×0.3025=151250円「m2単価」
この計算方法で元に戻すと
151,250円「m2単価」×3.3058=500002.25円「坪単価」
になり誤差は50万円で2.25円になります。
価格計算の話になりましたが、実はこの「坪単価」が相場観の根本になりますので、よく理解しておくとこれからの売却に役に立つと思います。

単に面積だけでない!土地の価格を左右する土地の形
土地の価格は、単純に坪単価×面積で相場を計算できない理由があります。
なぜならば、その土地と同じ条件はその土地1つしかないためです。
それなりに似ている形状の土地があっても、世界中に同じものはその土地しかありません。
条件が少しでも異なってくれば、土地の価格も変わる理由がここにあります。

※ここでいう道路とは建築基準法上の道路のことをいいます

図1の2つの土地は面積、方角、前面道路の幅員、用途地域、建ぺい率も同じです。
また、図にはあらわされていませんが、A、Bどちらも2階建ての住宅に囲まれています。
ここで何が違っているのか?
道路に面している距離が違っています。
みなさまだったらAとBどちらの土地が欲しいですか?
Aの方が欲しい人が多いと思います。
どうしてか?それは接道距離が長い土地の方がメリットが多いからになります。
住宅を建てるとき、Aの土地の方が設計しやすく、いろいろなプラン、住宅の形状が考えられます。また、採光面も広くとれます。
A、Bの土地に同じサイズの家を建てるとAの方が大きく見えます。
土地内に車庫を設ける場合も、Aの土地の方が自由に駐車スペースを配置でします。

このように接道距離が長いとメリットが多くなり、逆に短いとデメリットが増えていきます。
接道距離が2m未満になれば、建物を建てることさえも難しくなります。
土地の向きで接道は変わるため、同じ面積でも条件は異なってきます。
この図1のA、Bの土地の場合、10~20%、Aの土地の方が価格が上がる可能性があります。Bの土地が1000万円だとしたらAは1100万円から1200万円。価格の高い土地だからよけいにその影響が大きくなりますね。
このように土地の価格は状況・条件でとても変わっていきます。

さらに具体的な例を見ていきましょう。
住宅街、特に密集した人気の土地では旗竿地という形の土地が見られることが多くあります。
図2の緑の土地を見てください。
はたざおの形をしています。

この形状は図1のBのような縦長の土地の形状が基で、それを建売住宅用に分割して2棟の建物が建てられるようにした土地を旗竿地といいます。
業界用語では「敷地延長」(シキエン)と言う場合もありますし、ピストル型と呼ぶ人もいます。
これは縦長の土地を2つに分けて分譲販売する場合に、建築基準法で定められている4m以上の道路に2m以上接道する条件を満たすために行っている手法になります。

こうすることで建築基準法も満たし、土地を2つに分けて分譲販売することができます。
そしてこの場合も図1の時と同様に価格に差がでます。
茶色の土地より、この延長の部分の土地面積が多い緑色の土地でも総額は茶色の土地と同じだったり、むしろ安かったりします。
つまり坪単価が安いということになります。

売る側、買う側にそれぞれに様々な状況や条件があります。
どちらの土地が良いかは需要と供給のバランスになりますので、売れない、買えないということではありません。人それぞれ。奥の土地で道路から離れて静かに暮らしたい人もいるだろうし、とにかく安い土地を求めるひとなど、その人の事情によって変わってくるはずです。
ここまでの土地の話は住宅の用途としてはおおむね適している土地の話でしたが、次に三角形の土地の話をします。
図3を見てください。

自分のもっている土地がこのような3角形の形状をした土地だったとしたら、どう思いますか?あまり売れないなあ。厄介だなと思いますか。
というのも三角形の土地に一般的な住宅用として建物が建てづらいと思っているからだと思いますが・・・。
設計事務所に頼んだりするとこのような変形の土地でも柔軟に対応してくれると思います。
他とは違った形の建物ができて、とても面白いと思いますね。
話を戻して、不動産業者の立場から三角形の土地にはデメリットもあります。

例えば、「風水」や「家相」という昔からの言い伝えである占術で、土地や建物の不動産本体に「引っ張りや欠けている部分」があると、そこから気のバランスが崩れ、その方角の運気が下がり、衰退を招き、場合によって「凶相」といわれたりするからになります。
人によってはこの「風水」「家相」などをとても気になさるかたもいます。
目立つものでありますと、実際の取引価格に影響することもないとはいえません。

日当たりの角度ひとつでも土地の価格は変わってきます。
知っている方も多いと思いますが、日当たりによっても土地の売却価格は変わってきます。
場所や立地によっては日中ほとんど日が当たらず、ジメジメした土地などは、住宅用の土地としては不向きだと考えられています。
中には日中家に誰もいないのだから気にならない人もいるかと思いますが。
日本全国どの家でも、特に理由のない場合以外、多くは土地の南側に空間をあけ、北側に建物を建てることが多いです。

これは建物自体に少しでも多く日当たりと採光を確保するための工夫になります。
土地の置かれている状況はいろいろですが、年間を通して日当たりを確保できる土地は人気があり、需要の多い土地となります。
「詳しい条件」のところで説明した「高さ制限」「斜線規制」「日影規制」などはこういった日当たりの確保のための重要な建築基準上の制限になります。
その地域で暮らすひとの生存権を守り、安全で健康的な暮らしを保障するために法律で規制をしているのです。
土地の環境は、その土地自体の変化がなくとも、周辺環境によっても変わります。近所に学校ができる、マンションが建つ、飲食店ができる、道路が拡張される、墓地の新設、農地がショッピングモールになるなど日当たりだけでなく騒音、排気ガスなどいろいろと変わる可能性はあります。

この土地は大丈夫!

今は大丈夫でも、数年後、数十年後どうなっているかは分かりません。
ただ、「数年後に決定している」計画などは分かることがあります。
道路の拡張、線路が引かれる、高速道路が建つなどの公共交通系の計画は既に決まっている可能性があります。この場合、取引にも大きな影響を及ぼす可能性があるので、「詳しい情報」を収集するときに合わせて確認する必要があります。

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