施設は、生活介護、短期入所、地域の交流移設、研修施設の複合施設です。
計画地は法人が既存施設を点在させているエリアの一部を利用する計画である。エリア内の既存施設では、利用者の年齢を問わず、乳幼児、青少年、高齢者まで利用可能な施設が存在している。しかし、既存施設の一部老朽化やある程度の年齢層によって施設を区分しているため、利用者同士のコミュニケーションは催事イベント等のある一定期間のみとなっている。
施設スタッフは業務内容が年齢層によって少しずつ異なることもあるが 施設同士の情報共有等により利用者と比べ密にコミュニケーションを取 れている。 近年、多様性についての議論が数多くされている中、施設利用者の年齢 幅が大きく、利用者数も多い法人エリアではあるが、利用者同士のコミュ ニケーションの希薄さという課題が浮き彫りになっている。利用者同士 のコミュニケーションの希薄さは日常生活をともにする近しい仲間同士 のみとなり、潜在的なコミュニケーション能力を発揮できない状況にある。
エリア内の数十メートル内にいる年齢層の異なる利用者同士がコミュニ ケーションを図る場が少ないという現実は距離感を生みだしてしまい、エリア外の地域との距離感も遠ざけているように思う。 そこで、今回、年齢幅の大きい利用者同士を繋ぐ新しいみらいの福祉施設を建築することにより、エリア内の利用者同士の距離感、地域との距離感をグっと近づける施設を計画するに至った。